建設工事の相見積もりの取り方
相見積もりは、安い会社を探すためだけのものではありません。同じ条件で比べて、納得して発注先を決めるための手順です。
相見積もりとは
相見積もりとは、同じ工事について複数の会社から見積りを取り、金額や内容を比べることです。下請けに出す側にとっては、適正な金額を知り、信頼できる相手を選ぶための基本の手順です。
何社に依頼するか
一般には3社前後が目安です。2社だと比べにくく、5社以上だと、依頼する側も見積りを出す側も負担が大きくなります。工事の規模と、急ぎかどうかで調整しましょう。
進め方の手順
- 条件をそろえる:工事の内容・範囲、場所、希望の工期、支払い条件、材料の支給の有無を、全社に同じ内容で伝えます。条件がバラバラだと、金額を比べられません。
- 現地を見てもらう:図面だけで出せない工事は、現地確認の機会をつくります。
- 見積り期間を確保する:後述のとおり、十分な期間を与えることが大切です。
- 締切後に、比べて決める:金額だけでなく、内容と対応力で選びます。
- 選ばなかった会社にも連絡する:次回も協力してもらえるよう、結果を伝えます。
見積り期間の考え方(建設業法)
建設業法では、元請けが下請けに見積りを求めるとき、工事の内容を具体的に示し、十分な見積り期間を設けることが求められています。目安として、工事の金額に応じた最低限の日数が定められており、500万円未満の工事で1日以上、500万円以上5,000万円未満で10日以上、5,000万円以上で15日以上とされています(やむを得ない場合の短縮の規定があります)。
詳しい条件は変わる場合があるため、実際の取引では、国土交通省の資料や専門家に最新の内容を確認してください。
何を比べるか:金額だけで決めない
| 比べる点 | 見るポイント |
|---|---|
| 金額と内訳 | 労務費・材料費・諸経費が分かれているか。極端に安い項目がないか |
| 含まれる範囲 | 処分費、養生、清掃など、抜けている項目がないか |
| 工期 | 無理のない日程か。着工できる日はいつか |
| 実績・体制 | 同じ工種の経験、人数、保険の加入状況 |
| 対応 | 質問への返事の早さ、説明の分かりやすさ |
いちばん安い見積りには、必要な項目が入っていないことがあります。着工後の追加請求で、結局高くなる例もあるため、内訳まで見て比べるのが失敗を防ぐコツです。
相見積もりでやってはいけないこと
- 他社の見積り金額を見せて、「これより安くして」と競わせ続ける
- 発注する気がないのに、金額の参考だけのために依頼する
- 決まったあとで、見積りにない作業を無償で求める
信頼を失うと、次から見積りを出してもらえなくなります。
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